気圧や気温の変化が原因で引き起こされる「気象病」に悩まされる方は少なくありません。
頭痛やだるさ、動悸、そして気分の浮き沈みなど、これらの症状は日常生活に大きな影響を与えます。
これらの症状は、気圧や気温の変化によって自律神経のバランスが乱れることで引き起こされることが多いのです。

自律神経とは?

自律神経は、私たちの意思とは無関係に働く神経系の一部で、心臓の鼓動や呼吸、消化などの生命維持に関わる機能を調整しています。
自律神経は交感神経と副交感神経の二つから成り立っており、交感神経は身体を活動的にし、副交感神経はリラックスさせる役割を持っています。
気圧や気温の急激な変化は、この自律神経のバランスを崩し、様々な不調を引き起こす原因となります。

呼吸法で自律神経を整える

自律神経は自分の意思で調整することはできませんが、呼吸法によって整えることが可能です。普段は簡単にできる深呼吸も、体調が優れない時には背中が丸まって猫背気味になり、肺も縮まって深く息を吸うことが難しくなることがあります。

ラジオ体操でも「腕を大きく開いて…」という動きがありますが、これは胸を開いて呼吸をしやすくするためです。両手を肩に乗せて胸を開くことで、呼吸がしやすくなります。吸う息は交感神経を優位にし、吐く息は副交感神経を優位にするため、深い呼吸を意識することで自律神経のバランスを整えることができます。

日常生活に取り入れたい呼吸法

  1. 深呼吸
    背筋を伸ばし、両手を肩に乗せて胸を開きます。鼻からゆっくりと息を吸い、口からゆっくりと吐き出します。
    この時、吸う息と吐く息のリズムを一定に保つことが大切です。
  2. 腹式呼吸
    仰向けに寝て、手をお腹に置きます。鼻からゆっくりと息を吸い、お腹が膨らむのを感じながら息を吸い込みます。次に、口からゆっくりと息を吐き、お腹が凹むのを感じながら息を吐き出します。
    これを繰り返すことで、副交感神経を活性化させ、リラックス効果が得られます。

首のストレッチでリフレッシュ

緊張や不安、長時間同じ姿勢を続けることは、首や肩に不自然な力が入り、肩こりや頭痛、目の疲れを引き起こします。そんな時には、簡単な首のストレッチが効果的です。

  • 首の前後ストレッチ
    頭をゆっくり前に倒し、首の後ろを伸ばします。次に、頭を後ろに倒し、首の前を伸ばします。
  • 首の左右ストレッチ
    頭を右に倒し、左の首筋を伸ばします。次に、頭を左に倒し、右の首筋を伸ばします。

アロマテラピーで自律神経のバランスを整える

好きな香りは自然と深く吸い込みたくなります。
ペパーミント、ラベンダー、オレンジなど、自分が好きな香りを選んでリラックスすることで、自律神経のバランスを整える効果があります。
アロマディフューザーを使って部屋に香りを広げたり、ハンカチや枕に数滴垂らして香りを楽しんだりする方法があります。

アロマテラピーの効果的な使い方

アロマテラピーは、植物から抽出された精油を用いて行われる自然療法です。
精油の香りは脳に直接働きかけ、リラックス効果やストレス軽減、自律神経の調整など様々な効果が期待できます。

  1. アロマディフューザー
    アロマディフューザーを使うことで、部屋全体に精油の香りを広げることができます。
    リラックスしたい時にはラベンダー、気分をリフレッシュしたい時にはペパーミントなど、その時の気分や体調に合わせて精油を選ぶと良いでしょう。
  2. アロマバス
    アロマバスを楽しむことで、全身のリラクゼーション効果が得られます。
    湯気と共に精油の香りが広がり、深いリラックス状態に導いてくれます。特に、入浴時のリラックス効果は副交感神経を優位にするため、ストレス解消や不眠改善に効果的です。
  3. アロママッサージ
    キャリアオイル(ホホバオイルやスイートアーモンドオイルなど)に精油を数滴混ぜて、マッサージオイルとして使用します。
    リラックスしたい時にはラベンダーやカモミール、筋肉の緊張をほぐしたい時にはペパーミントやローズマリーが適しています。
    自分自身で簡単に行えるセルフマッサージでも、十分なリラクゼーション効果が得られます。

具体的なアロマテラピーのレシピ

  1. リラックスブレンド
    • ラベンダー精油:3滴
    • スイートオレンジ精油:2滴
    • フランキンセンス精油:1滴

    このブレンドをアロマディフューザーに使用するか、キャリアオイルに混ぜてマッサージオイルとして使用します。

  2. リフレッシュブレンド
    • ペパーミント精油:2滴
    • レモン精油:3滴

    このブレンドは、気分をリフレッシュさせたい時や、頭がすっきりしない時におすすめです。

  3. 安眠ブレンド
    • ラベンダー精油:3滴
    • カモミール精油:2滴
    • ベルガモット精油:1滴

    このブレンドを就寝前にディフューザーで使用するか、枕に少し垂らして香りを楽しむことで、深い眠りに誘われます。

まとめ

気象病による不調を少しでも和らげるためには、自律神経のバランスを整えることが重要です。
呼吸法や首のストレッチ、そしてアロマテラピーを日常生活に取り入れることで、少しずつ体調を改善し、快適な生活を送ることができるでしょう。
自分に合った方法を見つけて、ぜひ実践してみてください。

気圧や気温の変化に負けず、心地よい毎日を過ごせるように、少しずつ自分の体と向き合い、ケアを続けていきましょう。

参考 アロマテラピーで整える 太陽神経叢と自律神経の関係