太陽神経叢とは?その重要性と基本情報

人により、仕事の締め切りや家庭内の問題に直面すると、心拍数が上がり、緊張感が高まるのを感じると思います。
これは交感神経が活性化し、”戦うか逃げるか”の反応が引き起こされるためです。
しかし、この状態が長期間続くと、体と心の健康に悪影響を及ぼします。

今回はアロマテラピーを通じて、これらの反応を穏やかにし、自律神経のバランスを取り戻す方法を探ります。

自律神経の役割とバランス

自律神経系には、交感神経と副交感神経とがあります。

交感神経は「戦うか逃げるか」の反応を制御し、ストレスを感じているときに活動します。
一方、副交感神経はリラックスしているときに働き、心を落ち着かせる役割を担います。
これらの神経のバランスが、健康な心身には不可欠です。

視床下部と太陽神経叢の連携

視床下部は脳の一部で、体温調節、睡眠、食欲などの自律機能を調整します。

この小さな器官は、自律神経系と密接に連携しており、太陽神経叢を通じて体の緊急時の対応やリラックス時の消化促進などの生理的プロセスを効果的に管理します。

太陽神経叢は自律神経系の一部であり、主に交感神経と副交感神経の活動を通じて、腹部の臓器の機能を調節します。
よく、副交感神経はリラックス神経としても知られています。
そのため、ちょっとしたストレスには、副交感神経を優位にするリラックスに為に精油が有効利用できます。
ただ、長期的なストレス状態が続くことで、実は交感神経自体の働きが弱まり、そのことにより、心身に影響を及ぼすことがあります。

◇自律神経系(用語の説明)◇
自律神経系は、私たちの意識とは無関係に体の多くの基本的な機能を自動的に調節する神経系です。
主に心拍数、消化、呼吸などの生命維持活動をコントロールします。
交感神経
交感神経は自律神経系の一部で、「戦うか逃げるか」の反応を担当し、ストレスや危険が迫っているときに体を準備させる役割を持ちます。
これには心拍数の増加やエネルギーの急速な放出などが含まれます。
副交感神経
副交感神経も自律神経系の一部で、「休むと回復する」の機能を司ります。
リラックスしているときに活動し、心拍数を落ち着かせ、消化を助けるなど、体のエネルギーを回復させる作業を行います。
視床下部
視床下部は脳の小さな領域で、体温、飢餓、渇き、睡眠など、多くの基本的な身体機能を調節する重要な役割を果たします。
自律神経系と密接に連携しており、体の内部状態を安定させるための指令を出します。

太陽神経叢の位置と構造

太陽神経叢は、お腹の上部(みぞおち付近)、ちょうど胃の後ろに位置する自律神経の大きなネットワークです。
この神経ネットワークは、放射状に広がる神経の束から成り、その名前もこの形状が太陽に似ていることに由来しています。
太陽神経叢は、多くの主要な神経が交わる交通の要所であり、腹部の臓器への神経信号の分配と調節を行っています。


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◇太陽神経叢(用語の説明)◇
太陽神経叢は、腹部の上部にある複雑な神経のネットワークで、主に消化器官の機能を調節する信号を送る役割を担っています。
その名前は、神経が放射状に広がる形状が太陽に似ていることから来ています。

主要な機能と役割

1.消化器系の調節:太陽神経叢は、胃腸の動きや分泌を制御する神経信号を調節します。
これにより、食物の消化と栄養素の吸収が効率的に行われます。また、食欲の調節にも関与しています。
2.心理的・感情的な影響:この神経叢は「感情の中枢」とも呼ばれることがあり、ストレスや感情の変動が直接的に影響を受ける場所です。
緊張やストレスを感じると、太陽神経叢は活性化され、心拍数の増加や呼吸の速度の上昇などの身体反応を引き起こします。
*ストレスを感じて胃がキリキリしたり、不安を感じた時にみぞおち付近が締め付けられるような感じを経験したことはありませんか?
3.エネルギー管理:太陽神経叢は体のエネルギーレベルの管理にも関与しています。
エネルギー需要が高まると、この神経叢を通じてエネルギーの生成と分配が促進されます。

太陽神経叢の健康は、身体全体の健康と密接に関連しています。
この神経叢の機能不全や異常は、消化不良、慢性疲労、さらには不安や抑うつなどの心理的な問題につながる可能性があります。
したがって、太陽神経叢のバランスを保つことは、身体的、精神的健康の維持に不可欠です。

アロマテラピーでは、神経の働きを正常化し、ストレス応答を改善し、全体的なリラクゼーションを促進するのに有効な手段となります。
これにより、自律神経のバランスが取れ、心身の健康がサポートされるのです。

アロマテラピーでは、みぞおち付近に希釈した精油を塗布して使う方法がありますが、太陽神経叢は重要なポイントとなります。

交感神経とエネルギーレベル

交感神経の不足や低活性が引き起こすエネルギー低下について掘り下げてみましょう。

交感神経は、「戦うか逃げるか」とも呼ばれる反応を制御し、ストレスがかかったときに体を即座に行動できる状態に準備させます。
この過程で、心拍数の増加、血圧の上昇、糖の放出などが行われ、体に必要なエネルギーが供給されます。
交感神経の活性化は短期的には有用ですが、長期間活性化し続けると様々な健康問題を引き起こすことが知られています。
しかし、逆に交感神経の活動が不足する場合、以下のような症状が現れることがあります。

1.エネルギーの低下: 交感神経の活動不足は、身体のエネルギー生成プロセスが適切に行われないことを意味します。
その結果、持続的な疲労感や無気力が引き起こされます。
2.運動能力の低下: 筋肉への血流が最適でないため、運動時のパフォーマンスが低下することがあります。
3.低血圧: 交感神経の活動が低いと、血管が十分に収縮しないため、血圧が低下することがあります。
4.消化機能の低下: 交感神経は消化器官の活動を調節する役割も担っているため、その活動不足は消化不良や便秘などの問題を引き起こす可能性があります。

長期間のストレス状態が続くことにより、身体的にも精神的にもエネルギーが低下してゆきます。

太陽神経叢との関連

太陽神経叢はこれらの交感神経の活動を中央集権的に調節する役割を担っています。
交感神経の不足が続くと、太陽神経叢の調整機能も低下し、腹部臓器への影響が増大します。
これは、全体的なエネルギーレベルの低下、感情の不安定、免疫系の弱化など、広範囲にわたる影響を及ぼす可能性があります。

交感神経の活性化方法

交感神経の活動不足を補うためには、以下のような方法が有効です。
•アロマテラピーの活用:時間も場所も取らずに、取り入れることが出来ます。
•適度な運動: 定期的な運動は交感神経を刺激し、エネルギーレベルを向上させる効果があります。
•冷水浴: 冷水に浸かることで体がショック状態になり、交感神経が刺激されます。

アロマテラピーによる自律神経の調整

アロマテラピーは、精油の自然な成分を利用して自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
さらに香りはダイレクトにその情報が視床下部に伝わるので、嗅覚からの直接的な作用が期待できます。
*好きな香り・良い香りは、嗅細胞から嗅神経を通じて視床下部に伝わり、自律神経のバランスを整える働きがあります。


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以下に、特に効果的な精油とその使用方法を紹介します。

リラクゼーションを促す精油

ラベンダー:不安を軽減し、睡眠を改善します。
カモミール:深いリラクゼーションを促進します。
ベルガモット:気分を明るくし、ストレスを減少させます。
これらの精油をディフューザーで拡散するか、希釈したマッサージオイルとして使用することで、副交感神経を刺激し、リラックス効果を得ることができます。

エネルギーを活性化する精油

ペパーミント:集中力を高め、精神を活性化します。
ローズマリー:記憶力の向上に役立ちます。
ブラックスプルース・シダーウッドなどマツ科の精油:強壮作用があり、体の機能を高め、疲労や弱さを回復させる効果を指します
これらの精油は、特に活動的に動きたい日の朝におススメです。

◎それぞれ、単体でもブレンドしても使うことができ、みぞおち付近に優しくマッサージをするように塗布して使用します。
(精油は1%~5%程希釈して使用しましょう)
塗布した後は、手のひらに残った香りをゆっくり嗅ぎます。

精油の使い方

東京の企業で働くAさん(30歳、女性)は、過労と慢性的な不眠に悩んでいました。
アロマ手作り教室で、私は彼女に精油のブレンドオイルを夜間のリラクゼーションルーティーンに取り入れることを提案しました。

希釈した精油を、みぞおち付近とその反対側にある背中に塗布します。
身体の循環機能を強化するため、足裏のマッサージを同時に行います。
数週間の使用後、Aさんは就寝前の緊張感が軽減され、睡眠の質が向上したと報告しています。

《 精油のブレンド 》
ラベンダー・アングスティフォリア2滴
ベルガモット 3滴
ブラックスプルース3滴
ホホバ油 10ml 精油濃度4%

まとめ:心と体の健康をサポート

太陽神経叢と自律神経の健康は、私たちの全体的な幸福感と直結しています。
アロマテラピーは、これらの重要な神経システムのバランスを整えるための自然で効果的な方法を提供します。
適切な精油の選択と使用は、ストレスの管理、エネルギーレベルの向上、そして日々の生活の質の向上に寄与します。
心と体の両方をケアすることが、健康な生活への鍵です。